第2章大石内蔵助 「昼行灯(ひるあんどん)」と呼ばれた男⑤

 もちろん内蔵助としては、できることなら額面どおり十割で交換してやりたかったことでしょうが、思いをこめての六割という決断でした。

 今の世の中でも、これに似たようなことは起こりえます。たとえば銀行が潰(つぶ)れたとき、預金をどこまで保護するのか。今の日本では、もしもペイオフが実施されれば、いくら預けてあっても一千万円までしか戻ってきません。十億円の預金があっても、それしか返ってこないわけです。大蔵省や銀行の方々には、内蔵助のこの時の決断をどうか参考にしていただきたいものです。


【コメント】

この「熱血!日本偉人伝」の執筆は、2000年でした。

ではまた、来週金曜日の更新いたします。