第1章高田屋嘉兵衛 二十六歳の若さで千五百石船を①

 そんな天才がこの世に生を受けたのは、淡路(あわじ)島の五色(ごしき)町という土地。その昔、浜辺に五色の石がきらきらと輝いていたのでその名がついたそうです。その美しい浜辺で、嘉兵衛少年は毎日、海や空をじっと眺めていました。星の動き、天候の変化、潮の満ち引き。そんな観察眼が、後に彼の航海術を高める上で大いに役立ったに違いありません。

 ちなみに嘉兵衛さんの家系をひもとくと、七代前のご先祖様は越後(えちご)の高田から出てきた孫七郎というお方です。だから、高田屋。私も越後の出身で、そんなことも嘉兵衛さんに興味を持った一つの理由になっています。この孫七郎さんは、織田信長(おだのぶなが)に仕(つか)えたという経歴の持ち主。信長の死後は浪人となって、最後は淡路島に住んだようです。


【コメント】

嘉兵衛さんのことがだんだん分かって参ります。

次回はまた、来週金曜日の更新いたします。
皆様、ご自愛なさってくださいませ。