勝海舟の幕の引き方は、まさに曾祖父の言葉を実践したものでした。恨みを残さずに、徳を残す。米山検校の言葉を、海舟が聞いていたわけではありません。でも、その精神はしっかり継承されていた。だからこそ、明治維新は世界にも類を見ない革命になったのだと思えるんです。少なくとも、勝海舟というフィクサーがいなかったとしたら、あの革命がもっと血腥(ちなまぐさ)いものになったのは間違いありません。
世界が見えていた海舟にとって何より大事だったのは、幕府を守ることではなく、日本の独立を守ることでした。お隣の清(しん)が阿片(アヘン)戦争でひどい目に遭(あ)った成り行きも熟知していますから、列強に対する危機感を誰よりも感じていました。アメリカ、フランス、イギリス、ロシアの四ヶ国が連合して攻めてきたら、どうしようもない。分割統治されて、日本は独立国ではいられなくなってしまう。
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明日4日 19時~20時54分 BS日テレにて「歌謡プレミアム特別版 三波春夫 没後20年スペシャル」が再放送されます。
どうぞご覧くださいませ!!