第3章・勝海舟

「おい、おまえさんたち、日清戦争だなんて騒いでる場合じゃねえぜ。日・清・韓の三ヶ国が合従連衡(がっしょうれんこう)して白人たちを食い止める工夫をやらないかえ」(勝海舟)

●横暴ロシアを追い払った海舟の知恵

 グローバル・スタンダード、なんていう言葉をよく見聞きします。何も英語を使わなくたって、世界の常識、いや「地球の常識」と日本語で言えばいいんじゃないかと思いますが、ともあれ世間では今や、何はさておき国際化への対応が求められているんだとか。だから政治家や企業の社長にも国際感覚が必要だ、と言われます。

 しかし、世の中の指導者に国際感覚が求められるのは、けっして今に始まったことじゃありません。海に囲まれた島国とはいえ、日本は昔から国際社会と関わりながら歴史を積み重ねてきました。たとえばお隣の中国との関係を見ても、最初に文献の中に紹介されたのは卑弥呼(ひみこ)(日霊子(ひみこ))女王ですが、聖徳太子(しょうとくたいし)が最初に遣隋使(けんずいし)を派遣したのは、今からちょうど千百年前のこと。はるか昔から、国の指導者には国際感覚が必要だったんです。長く続いた鎖国の時代でさえ、いくつかの外国とはおつきあいしていましたし、それこそ前にご紹介した高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)さんのように、民間レベルで外国と渡り合っていた人物もいた。そう考えると、もう二十一世紀を迎えようとしているときに「国際化が大事だ」とか「国際感覚に優れリーダーを」とは何を今さらの感です。


【コメント】

今回から「勝海舟」が始まりました。
三波春夫が、とても好きだった人物です。
ではまた、来週金曜日に更新いたします。