長直の作った水道は実に見事なものでした。赤穂の水道は、江戸の玉川(たまがわ)上水、備後(びんご)の福山水道と並んで「天下の三水道」と呼ばれたものです。私も赤穂に行って拝見したのですが、備前(びぜん)焼きの水道管です。ほんとうに素晴らしいものでした。きれいな土管を通ってきた水ですから、鉛毒の心配もありません。人間の本質を考えた行政官、長直の気持ちが備前焼きの土管に表われています。まさに赤穂は三百五十年前の日本で第一の先進国でした。
【コメント】
赤穂への旅は、永六輔さんとご一緒でした。
永さんからのお誘いで、「遠くへ行きたい」での旅となったのです。
この旅では歌手ではなく、“歴史研究家”の顔をしていましたが、永さんとの会話も弾みまくり、楽しい日々となったのでした。
では、この続きはまた来週金曜日に更新いたします。