第1章高田屋嘉兵衛 幕府の命でエトロフへ⑨

 その後、嘉兵衛さんは択捉島で漁場の開発を任されました。そして享和(きょうわ)元年(一八〇一)に幕府から蝦夷地定雇(じょうやとい)船頭を命じられます。船頭というのは単なる技術者ではなく、経営権を持った社長です。つまり嘉兵衛さんは、択捉や国後も含めた蝦夷の海産物の取り引きをすべて任されたのです。苗字帯刀も許されました。それまでは純粋な民間人として協力していた嘉兵衛さん、ここで初めて幕府の正式なお墨付きを得たわけです。


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