第1章高田屋嘉兵衛 幕府の命でエトロフへ⑦

 けれども、これは個人的な頼み事ではありません。歴(れき)としたお国のための大仕事。嘉兵衛さんが意気に感じないわけがありません。きっと尊敬する河村瑞賢と我が身を重ね合わせて、大いに意欲を漲(みなぎ)らせたことでしょう。
 そして嘉兵衛さんは、この大仕事を立派にやり遂(と)げました。沼島水主(ぬしまかこ)たちの協力を得て、うまく潮の流れに乗ってN字を描くように船を操(あやつ)り、およそ六時間かけて択捉島にたどり着いたのです。航路開拓に成功した嘉兵衛さんは、寛政十二年(一八○○)に、こんどは近藤重蔵や幕府の人々とともに再び択捉島に上陸。日の丸の旗が勘翻(へんぼん)と択捉島に翻(ひるがえ)りました。


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