第1章高田屋嘉兵衛 幕府の命でエトロフへ④

 これが嘉兵衛さんには我慢なりません。これじゃあ、あんまりかわいそうだ。こんな非人間的ことをして商売が長続きするわけがない。そう思った嘉兵衛さんは、アイヌが獲(と)った鮭も和人が獲った鮭も同じ値段で引き取りました。それだけじゃありません。網を使う、効率のいい漁獲方法も教えてあげました。それまでアイヌの人々は、一匹ずつ銛(もり)で突き刺していたのです。嘉兵衛さんの指導で百倍も多くの魚が獲れるようになったそうです。アイヌの人々が、嘉兵衛さんを「親方、親方」と呼んで慕(した)ったというのも無理はありません。


【コメント】

いい話ですねー。
ではまた来週、金曜日に更新いたします。