第7章・織田信長と豊臣秀吉「歴史は西から動く」②

このように、社会の発展には一つの流れがあるように思えます。それを踏まえて歴史を眺(なが)めると、面白いことが見えてきますね。たとえば日本史のある時期に、同じ地域から何人もの偉いお方が、続けざまに登場したことがあります。これも私には、単なる偶然とは思えません。西から東へという流れの中で、その時期はちょうどその地域が文化の中心になっていたのだと考えたほうが、納得がいくんです。

その「ある時期」とは、十六世紀の終わり頃、いわゆる戦国時代の末期から安土桃山(あづちももやま)時代にかけた期間を指しています。そして「同じ地域」とは、今の愛知県を中心とした中部日本のこと。言うまでもなく、そこから登場した偉人とは、織田信長(おだのぶなが)、豊臣秀吉(とよとみひでよし)、徳川家康(とくがわいえやす)の三人です。

信長が開いた天下統一への道を、秀吉が引き継いで完成させ、さらに家康がそれを磨き上げて、二百八十年も続く徳川体制に仕上げました。歴史の大きな変わり目に活躍した三人が三人とも、尾張(おわり)や三河(みかわ)といった中部日本から出たというのは、それだけを見ると実に不思議なことです。

しかし先ほども申し上げたように、これはけっして個然ではありません。当時は政治的にも文化的にも、もちろん地理的にも、中部日本が国の「ヘソ」になっていたのではないでしょうか。


【コメント】

この続きはまた、来週金曜日に更新いたします。

三波春夫の長編歌謡浪曲『信長』を、命日記念として「三波春夫公式YouTubeチャンネル」に歌詞付きでアップしました。
セリフ入り歌謡曲の『織田信長』もアップされていますので、聴き比べて頂けましたら幸いです!!