第3章・勝海舟 「日本人はみみっちいぜ」⑤

 そういえば咸臨丸(かんりんまる)の艦長としてアメリカへ渡り、帰国後、幕府の老中たちに「どうだ、外国へ行ってみて何かつかんできたか」と訊かれた時に、海舟はこんなふうに答えたそうです。

「別段、変わったことはございません。ただ一つだけ、アメリカでは政府でも民間でも、上に立つ人は皆さん地位相応に秀(すぐ)れております。どうも、この点は我がお国とは違うように思います」 

 これを聞いた老中は「何をずけずけと、下がりおろう!」と色をなして怒鳴りつけたそうですが、こんなことがズバリと言えるのも勝海舟の面白いところ。なんとも魅力的な人物じゃありませんか。こんなお方が今の日本にもいたらなぁ、と思うのはけっして私だけではないでしょう。


 【コメント】

本当に…居てくださったら…。
ではまた、来週金曜日に更新いたします!!