第1章高田屋嘉兵衛 かくして一件落着⑥

 さて幕府からの文書には、ロシア政府が正式に過去の事件について謝罪すれば捕虜を返還する、という意味のことが書かれていました。嘉兵衛さんが考えていた解決法と同じです。ただし、カムチャツカ長官であるリコルドの詫(わ)び状(じょう)ではお上を納得させられない。もっと偉い人からの謝罪文が必要だ。そう判断した嘉兵衛さんは約束どおり艦に戻り、

「捕虜になっている人々は無事でいるようだが、やはりもっと上の人の文書がないと具合が悪い。せっかく詫び状を書いてもらったのにすまないが、ロシア政府の正式な国書を持ってきてくれないか」

 とリコルドに頼みました。

 リコルドは諒承(りょうしょう)していったん帰国。二ヶ月後に再びロシアの国書を持って来日し、それと引き替えにゴロヴニンが解放されて、日露の騒動は一件落着となったのです。


【コメント】

ではまた、この続きは来週金曜日に更新いたします。
皆様、ご自愛なさってくださいませ。