第1章高田屋嘉兵衛 言葉を越え、伝わる心⑤

 そこで初めて間近で嘉兵衛さんと対面したリコルドは、その風貌の迫力に驚かされたと、当時のことを綴(つづ)った手記に書き残しています。真っ黒に日焼けした顔に、あたりを威圧する眼光の凄(すさ)まじさ。言葉を交(か)わさなくとも、高田屋嘉兵衛という人物の大きさが分かったのでしょう。さっそく、リコルドはゴロヴニンの安否を尋ねました。実は国後の陣屋で交渉した際、「ゴロヴニンは死罪になった」と言われていたのです。

 通訳はいませんでしたが、リコルドはほんの少し日本語の手ほどきを受けたことがあったので、身振り手振りを交(まじ)えながら、二人は何とか会話を交わすことができたようです。また、ゴロヴニン一行の安否を問うために国後の陣屋に宛(あ)てて日本語で書いた書状の控えもあったので、嘉兵衛さんもリコルドが何を知りたがっているのかを理解することができました。


【コメント】

続きはまた、来週金曜日に更新いたします。

豪雪で大変な日々の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
どうかお身体をお大切にお過ごしくださいませ。
コロナ対策も毎日努力しなければなりませんが、お読みくださる皆様のご健康をお祈りいたします。