第1章高田屋嘉兵衛 言葉を越え、伝わる心④

 そんな嘉兵衛さんの立派な態度を見て、リコルドのほうも「これは相当な人物だ」と直感しました。そこで嘉兵衛さんを乗船させるため海上に下ろしたのが、美しい緋羅紗(ひらしゃ)の縄梯子(なわばしご)。縄梯子というのは相手の身分や地位によって色分け区別されていたそうで、これは最上位の高官を迎えるためのものでした。その梯子を昇っていくと、甲板では水兵たちが銃剣でアーチを作って待っています。さすがの嘉兵衛さんも殺されるのではないかと一瞬ぎょっとしましたが、これはロシア式の歓迎の挨拶(あいさつ)。それをくぐってディアナ号に乗り込んだ嘉兵衛さん、まずは艦長室へ迎え入れられました。


【コメント】

新年おめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

厳しい時節となりましたが、どうぞご自愛なさってくださいませ!!

ではまた、来週金曜日に更新いたします。