第5章・二宮尊徳「思想家、歌人として」①

    曇(くも)らねば誰が見てもよし富士の山
         うまれ姿でいく世経るとも

朝に夕べに富士を仰いで暮らした先生の心の中に、富士は霊山でした。そして、不二講(ふじこう)と
いうものを組織して貧者たちを救った小谷三志(こたにさんし)と言う人の美挙(びきよ)に諸手(もろて)を上げて応援されて、お金を度々(たびたび)寄進しておられます。次の歌もいいですね。

    不二(ふじ)の山のぼり詰めたる夕べには
       こころの宿にありあけの月
働く者の心を歌って、
    天つ日の恵み積みおく無尽蔵
       鍬(くわ)でほり出せ鎌(かま)で刈りとれ

    夕立ちと姿をかえて山里(やまざと)を
         恵む情けぞはげしかりける

夕立の凄さを見て先生は、そこに神の心を感じたのでしょう。平々凡々たる心で過ごしてくれるな。身分の上下にかかわらず、人すべて、この激しい雨に何ごとか感じてほしいと。


【コメント】

素晴らしい和歌ですね…。
ではまた、来週金曜日に更新いたします。
異常な暑さにお気をつけて、お健やかにお過ごしください!!