第6章・児玉源太郎 「勇気と決断力の大政治家」④

「後藤、だいぶ議会でいじめられたようだな」

しょげ返る後藤さんに、児玉さんは声をかけてやりました。

「まあ、当たってみなけりゃ分からないと思ってやらせたけど、そんなもんだよ。俺も、六千万円ってのはむずかしいと思っていた。しかし俺にもいろいろ考えがあるから、そう落胆せずにがんばれ」

この後で始まったのが、大規模な行政改革でした。六つあった県を三つに統合し、やはり六つあった省庁を四つまで減らしたのです。これに際して、総督府の勅任官(ちょくにんかん)が千八十人も首を斬られました。勅任官というのは、いわば高級官僚です。「こいつらは、高い給料を取っているくせに、ろくに仕事をしていない」と、児玉さんは躊躇(ちゅうちょ)なくクビにしたそうです。

こうして無駄を排除した結果、支出が減ったのはもちろん、風通しがよくなって命令系統も明確になりました。そして台湾は、黒字の国になった。このあたりが、児玉源太郎というお方の真骨頂(しんこっちょう)と言えるでしょう。児玉さんは優れた軍事指導者であっただけでなく、勇気と行動力にあふれた政治家でもあったのです。今、台湾の人々が親日的なのは、児玉さんの行政能力の素晴らしさが土台にあったからですね。


【コメント】

まことに気持ち良い話、でした。
この続きはまた来週金曜日に更新いたします。
今夜19時からは、BSテレ東「徳光和夫の名曲にっぽん」でお楽しみくださいませ!!