戦費調達に目途(めど)がついて、次には海軍大臣の山本権兵衛(ごんのひょうえ)を訪ねました。もちろん、戦争の件を依頼するためです。
はて、海軍が陸軍に協力するのは当たり前なのに、どうして、わざわざ頼みに行く必要があるんだと、思う人もいるでしょう。
しかし当時、陸軍と海軍はけっして一枚岩ではありませんでした。陸軍の中に海軍を低く見る風潮があったため、海軍が反発していたのです。その頃の戦争は陸軍が主力でしたから、海軍の役割を兵力と武器弾薬を船で輸送することぐらいにしか考えていなかったのですね。海軍がヘソを曲げるのも無理はありません。
ですから山本権兵衛も、最初は「とんでもない」と冷たいあしらい。国家の一大事に意地を張っているのかという気もしますが、陸海軍のあいだに横たわる溝(みぞ)は深かったのです。たとえ協力してもらえたとしても、この溝を埋(う)めて一致団結しなければ、ロシアとの戦争に勝てるわけがありません。だから児玉さんは、階級の枠を越えてあえて海軍大臣に頭を下げに行ったわけです。
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続きは、また来週金曜日に更新いたします。
11月30日夜のNHKBS「新・BS日本のうた」にて辰巳ゆうとさんが「元禄名槍譜 俵星玄蕃」を演唱なさいます。
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