第4章・平清盛 

 「この港は日本国の富を広げるために造るものじゃ。初めから大仕事であることは分かっておろうぞ。しかるに人柱(ひとばしら)を十人も立てねばならぬと言うは何たる迷信ぞ。重盛(しげもり)、そして行者(ぎょうしゃ)たち、おぬしらは今日から人間をやめるがいいわい」(平清盛)

●神輿に矢を放った男

 この偉人伝の中に平清盛(たいらのきよもり )が名を連(つら)ねているのを見て、不思議に思った方も多いのではないでしょうか。たとえば聖徳太子、織田信長、二宮尊徳(にのみやそんとく)といった方々を「偉人」と呼ぶのにためらいはあまり感じないでしょうが、平清盛というと、あまり良いイメージを持たれていないようです。

 武家として初めて政権を握ったという点では、歴史に名を残す人物ではある。しかし、それ以降に彼が行なった政治は人を人とも思わない傲慢(ごうまん)なもので、その悪政は人々を困らせた。だからこそ「驕(おご)れる者は久しからず」というわけで、平家は源氏の前に滅ぼされてしまったのだ……そんなふうに清盛を見ている人が大半でしょう。

 でも私はこの本の中でお話ししたい。悪政どころか、日本の歴史の中では聖徳太子の次に挙げたいぐらい立派な政治家だったと私は思っているんです。


【コメント】

本日から「平清盛」の章です。
では次回は、11月10日に更新いたします!