第3章・勝海舟 「北方領土問題と勝海舟」⑥

 「勝先生。ありがとうごわす。榎本さんがきっとこの大役を果たしてくれ申す。じゃが、相手はロシア皇帝も出席なさる領土改正。榎本さんの肩書が北海道開拓使、樺太(カラフト)庁次官では……」

 「たしかにそうでんす。大久保さんが私を海軍卿にした狙いがここにも一つありやんした。釜次郎に位を授けましょう」

 「よし。では海軍大将!ハハハ……」

 「黒田さんも景気がいいねえ。陸軍大将に西郷さんがいるんだから、いくらなんでもね。日本初の海軍中将、榎本武揚と任命いたしやしょう」

 「勝先生、ほんに嬉しかことですたい。明日北海道へ発ちますが、武揚どんに、しっかと先生のお心を伝え申す」

 「よろしく頼んます。会議の後は釜次郎をロシア公使として、あちらへ留まってもらうことにいたしやしょう」

 「はい、あん人には勝先生の命令だとお伝え申しまする」

 「おーいお民(たみ)、ご馳走(ちそう)はできてるかえ、話はまとまったよ。日本のために乾杯といこうぜ、黒田さん」

 「勝先生!!」


【コメント】

勝海舟の章は、まだ続きます。
また来週、金曜日に更新いたします!