第3章・勝海舟 「北方領土問題と勝海舟」④

 「ところで釜次郎はオランダ留学の経験もあるから横文字に強い。それにロシア語を勉強しているらしいね。ロシアも昔から、日本の漂流民を師匠にして日本語を勉強し、立派な辞書も作っていたぐらいです。交渉を成功させるには相手の言葉をよく知っていなければいけない。釜次郎は、そういうことを充分知っている男だよ」

 「そこです、二年前からロシアは下田(しもだ)条約では不満と領土交渉を強く求め、副島(そえじま)(種臣たねおみ)外務卿もロシアへ話し合いに行っており申したが、ここに来て大久保内務卿もようやく決断の時となり、日本代表を誰にしようかと」

 「ロシアとの交渉をまとめるには、そりゃあ釜次郎の他に人はおりませんね」

 「勝先生、言われるとおりでごわす。新政府の者が束(たば)になってもあん人には敵(かな)い申しません」


【コメント】

この会話の続きは、また来週の金曜日に更新いたします。

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