第3章・勝海舟 「北方領土問題と勝海舟」①

 海舟は、海軍大輔(たいふ)を務めた後、こんどは海軍卿となり、明治八年十一月二十八日までその要職を務めていますが、その年の五月七日、日本はロシアとのあいだで千島樺太(ちしまカラフト)交換条約を結んでいるのです。

 そしてそのとき、ロシアの首都ペテルブルグへ日本の代表として乗り込んだのは、なんと、あの榎本武揚(えのもとたけあき)でした。肩書は、海軍中将です。海軍大臣だった勝は榎本武揚の上司にあたる立場だったわけですね。ですから、この条約の成立にあたって勝が重要な役割を果たしていたことは間違いありません。

 明治維新の最後の最後まで新政府に反旗を翻(ひるがえ)していた幕府海軍副総裁の榎本武揚が、その新政府要職に就いたこと自体、勝の存在を抜きには考えられません。


【コメント】

猛暑が続いておりますが、お変わりございませんでしょうか。
この続きはまた、来週金曜日に更新いたします。
よろしくお願いいたします。