第3章・勝海舟 「行蔵は我にあり」②

 たとえば、こんなことがありました。

 幕府は海軍強化のために英国の方式を取り入れましたが、オランダに注文した開陽丸(かいようまる)とともにオランダの国王の命令を受けて十三人の士官が来てしまいました。さあ、外国奉行は困りました。すでにイギリスの士官たちが先に来ているのです。

 もちろん、オランダの方にお引き取り願おうということになったのですが、呼ばれてすぐに帰されたんじゃ、オランダ人士官たちだって怒ります。これは弱った、どうしたものか。困り果てた奉行たちは、勝さんに相談しました。

 「よし、分かった」と腰を上げた勝、面子を潰されて腹を立てているオランダ人のところへ行って頭を下げました。

 「いや、先走った者がお宅さんにも頼んでしまって、誠に申し訳ない。しかし、もうイギリスさんにお願いしてしまったんで、ご勘弁を願います。三年間分の給料は払うから、どうかひとつ国へ帰っていただけないもんでしょうか」


【コメント】

これから先はどうなるでしょうか。
また来週、金曜日に更新いたします。

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