第3章・勝海舟 「行蔵は我にあり」①

 勝海舟というお方が偉いと思うのは、一にも二にも国家のためを思って仕事をしていたことです。自分の手柄になるとかならないとか、そんなことはどうでもいい。日本という国を良くすることが大事であって、自分自身に対する評価には興味がなかったんじゃないでしょうか。

 だから自ら江戸を守るために奔走(ほんそう)しても、「江戸を救ったのは西郷、東京を繁盛させたのは大久保」なんてことがさらりと言える。「俺は自分の仕事を全部消して歩くよ」ということも言っていたそうです。他人の手柄まで横取りして自慢したがるような人が多い世の中で見事な武士ですね。

 お国のためになることなら、あらゆる手段を尽くして事に当たり、つまらぬプライドにはこだわりません。傍(はた)から見れば少々体裁(ていさい)の悪いやり方をしてでも、「実(じつ)」を取ることを選ぶ人だったんですね。とくに交渉事というのは、そういう現実的な思考力を持った人がやらないとうまくまとまらないものです。


【コメント】

本当に、海舟さんは素晴らしい!!
ではまた、来週金曜日に更新いたします。