第6章・児玉源太郎 「勇気と決断力の大政治家」③

日清戦争で手に入れた台湾の経営は、当時の日本を悩ませていた問題の一つです。いろいろな人が取り組みましたが、どうにもうまくいかない。また引き合いに出して申し訳ないのですが、乃木さんも台湾総督を務めています。でも、赤字は増えるばかり。その台湾を建て直したのが、児玉源太郎でした。

児玉さんが問題視したのは、風土病だけてはありません。ひとつには、当時の台湾には山賊の横行という社会問題がありました。

これを何とかしなければ社会は安定しないし、経済の繁栄もない。そこで児玉さんは、徹底的に山賊を掃討させました。しかも、悪党を山から追い出すだけではなく、その受け皿もちゃんと用意した。ちょうど鉄道や道路の整備が急務となっていましたから、山を降りてきた山賊たちに与える仕事には事欠かなかったのです。どんどん仕事を与えた結果、この人たちは台湾のために働く人々と変わっていったのです。彼らは台湾独立をスローガンとする土着の有志となりました。

さらに、児玉さんは行政改革にも大鉈(おおなた)を振るっています。明治二十九年当時、台湾総督府の税収入はわずか二百七十一万円。これではどうにもならないと、後藤新平が六千万円の建設公債を日本国内で引き受けてくれるよう、議会に申し出ました。しかし議会はこれに反対で、引き受けてもらえたのは、たった三百五十万円。これには後藤新平、ずいぶん落ち込んだそうです。


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