第4章・平清盛 「絶世の美女も惚れた男気とは」③

 しかし逃避行の途中で見かけた高札(こうさつ)が、その逃避行を中断させました。その高札には、常磐御前が自ら出頭しなければその母親の首をはねる、と書かれていたのです。彼女は京都へ引き返し、ご主人である、時の皇后・九条院(くじょういん)のもとへ参上しました。常磐御前の親孝行に感心した九条院は、立派な着物を与えて正装させ、平家の邸がある六波羅(ろくはら)に向かう彼女に牛車(ぎっしゃ)まで使わせてやったそうです。

 牛車に揺られる常磐御前の心情を思いやると、こちらまで辛くなりますね。母親の命を守るためとはいえ、これから自分の夫を殺した男の前に引きずり出されて、裁かれようとしているのです。三人の子をしっかりと抱きしめながら、心の中は恐ろしさに震えていたに違いありません。


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