第4章・平清盛 「迷信嫌いの合理主義者」②

 怖れおののいた重盛は家来の松王丸(まつおうまる)を呼び寄せてそのお告げのことを話し、父の清盛のところへ行ってそれを密(ひそ)かに伝えるよう命じました。

 ここで松王丸が言われたとおり清盛のところへ行っていれば、悲劇は起こらなかったに違いありません。しかし松王丸は、主人への献身を厭(いと)わない立派な若者でした。困り果てる重盛の顔を見て、彼は健気(けなげ)にもこう言ったのです。

 「畏(かしこ)まりました。そうとなれば、大殿さまにご相談申し上げるまでもありませぬ。大殿様をお助け申し上げるのが、私の役目。それで港が出来るのであれば、私が人柱になりまする」

 松王丸の覚悟が固いことを見た重盛は、その申し出を受け入れました。白装束(しろしょうぞく)に身を包んだ松王丸は、行者が経を上げる中、ざんぶと海へ身を投げたのです。


【コメント】

自己判断で先んじて良いときと、悪いときがありますのですね…。
では、この続きはまた来週金曜日に更新いたします。
寒さが増して参りましたので、どうぞご自愛くださいませ!!